歯科保健関係者と市民とが一堂に会し、ワークショップ形式で意見交換を行いました。意見交換会の最初に行ったのは、気軽にできるお試し体験メニュー。口の中の写真撮影、口臭測定、むし歯のなりやすさチェック、うがい薬・歯間ブラシのグッズ体験などのメニューを用意し、中には行列のできるメニューもありました。
その後は、市民と歯科関係者が同じテーブルを囲み、「最後に歯科健診を受けたのはいつですか?」「歯医者さんに聞いてみたい素朴な疑問は?」というテーマでの話し合い。そこでは、市民から歯の健康に対する素朴な疑問が多数でてきました。
また、平行して街角インタビューを行うと、若い人からお年寄りまでが協力してくれ「市民は歯の健康に無関心なわけではない」ということがわかりました。 これらの取り組みから市民と歯科関係者が互いに聞き合える直接的な関係づくりが大切ということがわ明らかになりました。
専門的な視点ではなく、「食」という切り口から歯科保健をPRしてみようと、新潟市の食の一大イベント「にいがた食の陣」でブースを出展しました。
来場者の関心を引くために、景品を配る、プレゼントアンケートをする、街頭インタビューで呼び込みをするなどの工夫を施しました。二日間で回収したプレゼントアンケートは1283名、8020クイズには199名。多くの市民が取り組みに参加し、意外と歯科には潜在的な関心があることがわかりました。
また、歯科関係者が地域の現場に出ていくことの大切さ、まずは何かをやってみることでいろいろなことがわかってくるという実行力の重要性を認識しました。
新潟市が市民向けに行っているサービス「成人歯科健診」の受診率を向上させるための取り組みとして、働き盛りの世代に定期検査の重要性を理解してもらい、その後の成人歯科健診を受診するきっかけづくりを行いました。
成人歯科健診は40歳、50歳、60歳、70歳が対象になっているため、健診対象になる前の世代である30代の代表として新潟青年会議所の会員をターゲットに。 まずはお口に関するアンケートの後、簡単な歯科健診を行い、歯科医師とJC会員との意見交換会をワークショップ形式で行いました。
一連の取り組みの成果は、JC担当者の意識を変えたことです。担当者が積極的に健診を受診するようになったとともに、どうしたらもっと働き盛りの世代が気楽に歯科医院に足を運べるのか、多様なアイデアを出してくれました。JC会員は企業経営者ということもあり、歯科関係者以外の視点や発想を取り入れていく重要性も感じました。
住民参加の歯科保健活動を推進するため、考えを共有し、一緒になって活動してくれる仲間(=歯科専門家)をもっと増やす必要性を感じました。そこで、新潟県歯科医師会が主催する群市会訪問事業(県歯科医師会が県内各地にある群市歯科医師会を訪問し、お互いに意見交換を行う事業)を活用して、人材育成と人材発掘を行うことに。
「多くの歯科医師にワークショップという手法を体験してもらう」「歯科医師同士で地域保健について意見交換をしてもらう」という二つの目的を掲げ、4地区でワークショップを実施。毎回大好評で「定期的にこうした機会を設けてほしい」「ワークショップのスキルを身に付けたい」など次につながる意見・感想をいただきました。
群市会訪問事業を受け、歯科医師向けに「ファシリテーター研修会」を実施しました。ファシリテーターとは、ワークショップでは欠かせない、人の間に入り多様な意見を引出す役割を担う人です。 ファシリテーター研修会は、平成23年1月20日、新潟県歯科医師会館にて行われ、新潟市歯科医師会会員16名の参加がありました。(講師はNPO法人まちづくり学校)
まず初めに講演「ファシリテーターとは?」をして頂き、歯科におけるファシリテーターの必要性、ファシリテーターに求められることなどを学びました。続いてファシリテーターの基本スキルを学ぶため、インタビューゲームを行いました。初めは1対1にて、次にテーマを設定し1対3にて行いましたが、参加者からは「普段聞けないことも聞けた」「初めて聞く相手なので、何を聞いたら良いか戸惑った」「参加者がテーマについてはっきり意見を持っていて聞きやすかった」なとの声がありました。
新潟市歯科医師会としては新たな成人健診プログラムにおいて受診者の行動変容を促すためにはこのスキルが重要なものと考え、会員への啓発に努めたいと考えております。
プロジェクトの活動を継続性のあるものにしていくためにも、組織的・経済的にも基盤が確立している企業と連携した活動が有効だということから、新潟県内では有数の大企業である(株)北越製紙新潟工場と連携して「健康学習会」を行いました。
企業にとっては、1,500人にも及ぶ従業員の健康管理を目的とするとともに、企業が地域住民の健康づくり活動に積極的に参加・協力していくという新たな関係づくりへのチャレンジでもありました。
健康学習会では、お口の健康を保つことの重要性や歯周病の予防に関する簡単な講和を行った後、準備した体験型のブースを自由にまわってもらいました。当日は80名を超える周辺住民に加え、勤務明けの従業員の参加があり、高い関心を示していただきました。
そこから、従業員の歯の健康に関する実態やニーズをしらべようと、519人の従業員を対象にした歯の健康に関するアンケートを実施しました。その結果、従業員のみならずその家族も含めた健康管理・健康増進活動が求められていることが明らかになり、企業の地域貢献活動、そして地域住民の健康づくりやまちづくり活動とも一体化した新たな取り組みへの視点が得られた活動となりました。
法律で定められた歯科健診は高校3年生で終了することから、エアポケット世代である大学生や専門学校生にアプローチし、成人歯科健は、診につなげるための取り組みを検討しました。
ちょうど歯科医師会の中に、県内に約2万人を抱える専門学校グループとのネットワークがあったことから、事業協力をしてもらうことに。対象は、歯科医療事務の卵たち。実践に即した内容をプログラムに盛り込み、「コミュニケーションスキル授業」を行いました。
前半は、NPO法人まちづくり学校が行うコミュニケーション授業、後半は歯科医師や現役の受付が行う実践体験授業という流れです。学生や専門学校からは好評でしたが、歯科保健の面からみるとどれだけの成果が見られたかは検討の余地が残りました。
今後は、大学、専門学校代の歯科保健を推進するために、歯科健診などの法的整備が必要と強く感じました。
はーもにープロジェクトでは、遊びをとおして歯や口の健康について学んでもらうことをねらいとして、は~もに~カルタを作成することとしました。作成にあたっては、小学生に読み札を考えてもらうなどし、共に作り上げました。
内容は、歯磨きやよく噛むことの大切さ、デンタルフロスの使用やおやつの食べ方についての啓発等、歯や口の健康を保つために必要なことを幅広く盛り込みました。 カルタは、イベント(小学校の文化祭、にいがた健口文化フォーラム2010)や保育所等で活用されました。イベントでは、園児から小学生まで、幅広い年代の子どもたちが参加し、カルタを楽しんでもらうことができました。
一方、保育所では繰り返し遊ぶことで読み札を覚え、口ずさむ子どもがいたそうです。「学ぶ」という一面を考えると、繰り返し遊んでもらうことが有効だと言えそうです。
学校側の協力を得て、学校の文化祭に体験コーナーや歯科相談のブース設置、カルタ大会などを行っています。
(過去に実施した学校)
亀田小学校(新潟市江南区)
湊小学校(新潟市中央区)
越前小学校(新潟市西蒲区) 他
新潟市では、各地域でコミュニティー協議会が中心となり活動が盛んに行われています。はーもにープロジェクトではコミュニティー協議会と連携しながら地域の住民の方と一緒に歯の健康について考える連携プロジェクトを進めています。
最近では、角田地区のコミュニティー協議会と連携し、「浜メグリ」事業に参加しました。地元の特産物の中でかみ応えのある食べ物(いりこなど)を食べてもらった後に、歯の健康を考える体験コーナーに移動。いろいろな歯の健康測定や地元歯科医師による無料歯科相談を行いました。
※ここに掲載している以外にも、いろいろな取り組みを行っています。以下のブログもご覧ください。